鈴鹿・決勝

三重県鈴鹿は快晴もとい北西の風が強く吹いているようだ。東京地方も同じく、五月蠅いくらいに風が強い。とはいえ、晴れたレースはテレビで観る方にとっても心地よい。

改修

内側にずれた130R、手前にずれたシケイン、そして二輪専用のシケイン後のシケイン

一点目と二点目は、ライダーにとってもかなり難しく、特に130Rシケインとの連携でのコースアウトが目立った。

三点目のダブルシケインについては、正直首を捻りたくなる変更点。ラインが一本しかないので抜きどころなどさっぱりない(シケイン手前なら抜きどころはある)。切り返しのピンポイントでしかないので、別にいらないような…。「右→左→左→右」の、「左→左」が「左」に一本化されている印象。シケイン中のオンボード映像が、ほぼ皆無だったのも残念。

125cc

BS1の放送開始時間と共にチェッカーフラッグ。

ファイナルラップ、バックストレートにて、素早くイン側に寄せたペルジーニがチェッキネロの横っ面に体当たりを喰らわる格好となった映像が印象深い。大きく吹っ飛ばされたチェッキネロは、転けないだけでも凄いのに、その後のシケイン手前までトップ争いを演じた。だがしかし、シケインに進入出来ずショートカット。近道したのでそのままトップでチェッカーを受けた。

レース後の裁定では、シケイン不通過ということで、チェッキネロには30秒のペナルティが課せられた模様。マシンを実際に看た上田のノビーさんによると、ブレーキが逝ってしまっていたとのこと。

結果としては、優勝ペルジーニ・2位ジャンサンティ・3位イェンクナーと、ベテランが揃った。ここまでは1秒以内の大接戦と、非常に125ccらしいアプリリアの123フィニッシュ。

アプリリア移籍の宇井は、約9秒遅れの5位と、母国GPにおいては不本意な結果となった。チャンプ候補筆頭のペドロサは、トップ争いを演じたもののコースアウトにて、最終的には7位と落とした。

250cc

予選落ちライダーに対して温情の計らいがあった模様。まぁ、いくらなんでも、サーキットベストレコード保持者がレースに出ないのはあんまりなので、歓迎したい配慮だと思う。というわけで、エリアス以下の6名はレースに参加できることとなった。

レース序盤は、好スタートのポルトがトップを制した。ポールシッターの青山はスタートミスで順位を落とすも、唯一フル参戦の松戸が奮闘して良い位置に。昨年のもてぎで3位を得た高橋もそれに加わった。

しかしながら、本当に速かったのはトップ集団の彼らではなかった。予選23位からのポッジャーリ、あるいはエリアスの両名がファステスト連発で追い上げてきたのだ(ただ、エリアスについては不運で、5周目辺りでマシントラブルに終わる)。

中盤から終盤にかけては、ストレートで伸びの速いポッジャーリが、それこそアッという間にトップを奪い、2位以下に対して2〜3秒のアドバンテージを保つこととなった。2〜4位までがかなり熱く、高橋・青山・ウェストが抜きつ抜かれつ、接触スレスレのバトルまで演じた。そんな中、ウェストが転倒リタイアを喫した。いやー、高橋と青山は素晴らしい。ポルトもそれにピッタリくっつけているが、如何せん彼らを抜けないようだった。

ラストラップでは、ポッジャーリが2秒先導。ミスがない限り彼の優勝は堅い。というか、ミスしなかったので優勝、250ccでのデビューウィンを飾る。さすが125ccチャンプ経験者。若手なので伸びがある。

2位は青山、3位は高橋。最終、シケイン手前で青山が高橋を刺したが、どっちが前だろうとおかまいなしの結果だったと思う。二つ目のシケインで、青山を抜こうとする高橋の姿も見られたが、いくらなんでも無理だろう。抜くには幅が狭すぎる。ともあれ、この二人は来年か再来年辺りにでも、世界で活躍出来るんじゃなかろうか。とても若いし。

MotoGP

実況・田中アナ、解説・坂田和人、ゲスト・青木治親、ピットレポート・上田昇。やたらめったら地味に豪華。世界チャンプが二人もいる。しかも、人選が豪華というだけでなく、ちゃんと実況解説が出来る方々。特に田中アナが凄くて、解説者を見事に活かす実況をする人で、しかもバイクに詳しい。オレの中では千年屋アナと並べて神と崇めたい。坂田さんも、言葉選びが非常に丁寧で、バイクに乗っていた頃のアグレッシヴさとはギャップがあるんだが両方含めて尊敬したい。

このクラスは、結果から書こう。日本人がちょっとアレだったから。

優勝ロッシ・2位ビアッジ・3位カピロッシ。ロッシとカピロッシとの関係は、林と小林みたいなものなので気にしないように。という冗談はともかく、ポディウムはイタリアンで占められた。ロッシとビアッジは仲が宜しくない、カピロッシは中立、なので不思議空間が漂っていたかな。ともあれ、この三人は別格で速かったが、特にロッシの一人勝ちとも言えた。

カピロッシの3位獲得は、デスモセディチの完成度の高さとも言えるもので、ドゥカティの仕事ぶりは完璧だ。相棒のベイリスも5位と良い成績。ちなみに、宇川はベイリスとのバトル中にコースアウトして止まれず、クッションに真正面から突っ込んだ。格好悪いよ…。

4位にはホンダ移籍のジベルナウ。一人旅だったので全然目立たなかった。

6位にはアプリリアエドワーズ(WSBチャンプ)、7位にはホンダのヘイデン(AMAチャンプ)。8位バロス、9位中野のヤマハ勢。バロスがちょっと不甲斐ないが、午前中に転倒して膝を故障した影響か。この辺の争いはちょっと面白かったし、アプリリアも昨年より随分マシなマシンを仕上げてきたようだ。

10位チェカ、11位ノリックヤマハワークスの二人はトップから40秒遅れ。チェカは序盤トップを走っていたのだけれど。ちなみに、ノリックは、初日に大破したメランドリの代役。もともとワイルドカード枠だったのだが、次戦以降も出場するのではないかと囁かれている。

12位にはGP出戻りの芳賀。エドワーズと共に、WSBからの移籍ライダーでもある。あんまり良いところなく、どこかで一回コースアウトもしていた。ウィニングラップでガス欠おこしたか何かしたロッシが、ヒッチハイクしてケツに乗せて貰った相手が芳賀だった。


それはともかく、シケインでマシン大破、ピクリとも動かなかった加藤大治郎の容態が心配される。なんでも、意識不明らしい。クラッシュ直後の映像も、かなり嫌な感じだったが…。