南アフリカGP

昨日一回、ビデオで観たきりなので、うろ覚えのまま記すことに。しかも、今回は(NHK-BSの都合により)MotoGPクラスしか観てないので、MotoGPだけ。

MotoGP

最初の10分ばかりを録画し損ねたので、スタート直後の多重クラッシュはよく知らない。どうやら、アプリリアエドワーズが挙動を乱し、インからアウト側へ、2,3台巻き込みつつ(轢かれつつ)リタイアを喫したようだった。この時リタイアしたのは、(エドワーズの他には)プロトンのマクウィリアムズ。

時間がだいぶ遡るが、サイティングラップ中にロバーツ転倒、オイルをだいぶまき散らしたとのこと。オイル除去の跡がそのまま白線のようになり、あまり広くないコース幅がますます狭まって見える。実際、ライン取りはその内側に限られていた。

序盤トップを行くのは、ドゥカティベイリス。元WSBの王者で、4stには滅法乗り慣れている選手だ。2番手には大治郎のチームメイトであるジベルナウ。PPからの出発からして、凄まじき奮闘ぶりと言える。3番手・4番手には、それぞれ、ビアッジ・ロッシと続く。追い上げ型のロッシとしては、先行型のビアッジを早々に処理しないことには後々に響くよう伺えた。

レースが動いたのは11周目。ベイリスのミスを突き、ジベルナウがトップに浮上。そのまま、後続に3秒以上の差を広げる。ベイリスは、そののちビアッジにもパスされた。

そこで今回のレース最大の見物となったのは、ベイリス対ロッシの3位争い。ロッシにしてみれば、タイヤの消耗著しいベイリスがペースダウンを続けるということは目に見えていることなのだが、トップとの差を広げない為には、とっとと前に出なければならない。強引にインを刺して膨らんだり、アウトからギリギリに被せてはまた失敗したり。接触スレスレの攻防が何度か続く。どっちも転びそうになるシーンはあったのだが、どっちも最後まで転ばず。ロッシはともかく、ベイリスも相当バイクに乗れるライダーだと感嘆した。が、結局はロッシがこの戦いを制するのであった。

20周過ぎた辺りだったか、鬼気迫る勢いでロッシはビアッジを追撃。ビアッジたまらずミスったところを抜き去り、そのままの勢いでトップに迫っていった。ラスト1,2周くらいにはギリギリ抜ける範囲の展開となったので、観る方としてもドキドキしてたまらない。

しきりに大治郎と結びつけようとするアナウンスには、正直言って苦いものを感じた。オレは、ライダーの走りが弔いによって向上するとは思わない。他力によって成就するような言い様など、レースを知る者なら、どのような状況においても本来すべきことではないと思う。が、それでも大目に見ようとも思えたのは、それくらいジベルナウの走りっぷりも見事であったからである。案の定、ラストラップにはコンマ僅かの差でロッシがピッタリと後ろに付くも、最後まで抜かせず、ジベルナウは殆ど完璧にレースを制した。彼の勝利に水を差そうとする者などいないだろう。

レース後、マシンにうなだれるジベルナウは印象的で、仕事を遂げた者の姿と僚友を失った者の姿と、両方が見えて少し寂しすら覚えた。