ベテラン

他店で働いている方から「僕もやってるんですよ」と声をかけられることは、ごくたまにだけどあったりする。オレが逆のことをすることは殆どありえないと思うが、話しかけられること自体には悪い気がしないので「へえ、何処ですか?」と決まったように返すことが多い。

昨日来た若い客ともそんな調子で会話、というよりは、向こうの一人語りとでも言うのかな。「深夜、楽っすよね!」「ジュースとか(勝手に)貰いまくりですよ!」「自分は半年やってて、発注とか任されてるからベテランっす!」などと言っていた。適当に相槌打ったりしていたが、彼の言い様に本心で頷けることは何一つなかったので、いい加減はよ帰れよと思えてきた。

その後、仕事の間中ずっと「ベテランって何だ?」と考え続けた。私見で言えば半年そこらなどぺーぺーも良いトコで、「やらされている」仕事を「任されている」などとは認めたくないものだ。しかしながら、行える業務の多さという点ではオレより彼の方に分がある。オレは発注をやったことないし、やり方も知らない。経営方針という言葉一つで済むことではあるのだが、役割を分担するという仕事本来の意味においては、オレに対する評価は低くあるべきものなのだろうと思ったりもするのだ。ただし、繰り返すがこれは経営方針というヤツに過ぎないことでもあるので、オレ自身で自己評価を貶めることがあってはならないということは肝に銘じておこう。彼我の優劣などは、同じ枠組みの中で行えば良いものだ。たぶん。